獅子座

獅子座 Leo

獅子座は春の宵、南の夜空でひと際目立つ整った星座です。獅子の尾にある2.1等星のデネボラと、天高く黄金色に輝くうしかい座のアルクトゥルス、乙女座の白いスピカを結ぶ「春の大三角形」となります。四季ごとの夜空で形成される大三角形は、星を見つける目印になるので覚えておくと便利です。

獅子の頭からレグルスにかけての草刈鎌のような6個の星の並びは「獅子の大鎌」とも呼ばれています。獅子座の1等星レグルスは「小さい玉」という意味で、名づけ親は地動説を唱えたコペルニクスです。コペルニクス以前にも「獅子の心臓」という呼び名もあって、天高く昇る百獣の王、獅子座は昔から注目されてきました。

青白く光る1.3等星のレグルスは全天21個ある1等星の中では最も暗いのですが、黄道に近くメソポタミア時代には春分・秋分・夏至・冬至を示す4つの「王の星」※の一つでした。現代でも、航路の羅針盤とされる45個の常用恒星の一つとなっています。

およそ33年周期で11月に出現する獅子座流星群。日月食などは寸秒も違わず予報がでますが、流れ星の正確な予報はできません。流れ星の発生はチリといってもいいような微小天体の一部が偶然、地球に飛び込んでくることから始まります。このチリが地球大気中で燃え尽き、その瞬間に流れ星になって輝くのです。つまり、偶然飛び込んでくるチリは観測不可能なのです。

さらに、大きいチリは燃え尽きないで、しっかり地上に落下します。これが、隕石と呼ばれます。流星群はぜひ見たいけれど、隕石雨には絶対に遭遇したくないですね。

獅子座流星群、次回は2034年頃と予測されていますので、お楽しみに!

 

古代エジプトでは太陽が獅子座を通過する時期とナイル河の氾濫期が重なり、人々は獅子座を太陽の象徴として崇拝するようになりました。当時、ナイル河から地域へ繫ぐ水路の水門には、ライオンの頭が装飾されていたそうで、今でも噴水やローマ式浴場でライオンのデザインを見かけますよね。どの動物よりも強い百獣の王ライオンと、あらゆる生命を育む太陽の結びつきは必然だったのでしょう。

 

ギリシア神話では英雄ヘラクレスの第1の偉業となったネメアの森にすむ凶暴な人喰いの獅子退治が伝えられています。弓も矢もかなわなかった獅子に、ヘラクレスは素手で組みつき全身の力を込めて締めつけます。ヘラクレスの怪力に獅子は息絶えます。大空の獅子座はヒール役で、崇拝されていたイメージとまったく合いません。シュメール時代(前600年)には骨格が形成されていた古い星座ですから、時代々でいろいろな見方があるのでしょう。

■春の星座 獅子座 Leo レオ  (Leo)  見頃:4月25日 肉眼星数:118個 支配星 太陽

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